ジャグジー風呂や泡の出る入浴剤が昔から大好きだったASUKAです。
大分県に引っ越してきてからは、お風呂付ではない物件に住んでいるため、お風呂は100%温泉です。
そのくらい大分県には、あたり前のように温泉があります。
ところで、タイトルにも出てきた【二酸化炭素泉】という泉質。
以前、ご紹介した【炭酸水素塩泉】と名前が似ているなと思いませんでしたか。
実は【二酸化炭素泉】と【炭酸水素塩泉】は、どちらも二酸化炭素が原料ですので親戚のようなものです。
また、人によっては【二酸化炭素泉】と【炭酸水素塩泉】の両方をまとめて【炭酸泉】と呼ぶこともあります。
では、実際にどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、温泉の専門家でもある私が【二酸化炭素泉】について説明をさせていただきます。
【炭酸泉】と言えば、シュワシュワ感があるイメージあるけど、この前行った所は泡付きがなかったけどどうして?
奇跡の【炭酸泉】という温泉施設があったけど、どこがどう奇跡なの?
【二酸化炭素泉】じゃなかったのに、泡付きがある温泉があったんだけど、あれはどういうこと?
それをあなたが質問してどうするの?
これから説明するんでしょうが!
冗談はさておきまして、上記の疑問も、本記事を読み終わるころには解消しているのではないでしょうか。
では、次項より順番に説明させていただきます。
【二酸化炭素泉】はどうやって見分ける?
【規定成分】が鍵!
以前の記事で、【規定成分】というキーワードがあったのを覚えておいででしょうか。
【二酸化炭素泉】は【規定成分】が温泉の泉質の判断材料になります。
【二酸化炭素泉】の場合に使用する【規定成分】は【遊離二酸化炭素】です。
【温泉成分分析書】の【遊離成分】という項目の部分に入っています。
見つけられましたか?
この【遊離二酸化炭素】が、温泉水1kg中に1g(1000mg)以上含まれていれば、【二酸化炭素泉】となります。
ここでちょっと思い出してください。
【単純温泉】は温泉水1kg中の成分量が1g以下で【塩類泉】の3つは1g以上でした。
ということは、【二酸化炭素泉】はどうでしょうか。
【二酸化炭素】自体がガス性と言う部類になりますので、成分総量から外されてしまいます。
そのため【含二酸化炭素-単純温泉】や【含二酸化炭素-塩類泉名】という泉質ができます。
【二酸化炭素泉】で泡付きがないのはなぜ?
【二酸化炭素泉】が【遊離二酸化炭素】の量で決まるのはわかりました。
どうして泡つきがないものがあるのですか。
【二酸化炭素泉】の泡付きがなくなる一番の原因としては温泉の温度です。
例えば炭酸飲料を放置したり温めると、泡が出なくなりますよね。
それと同じことが【二酸化炭素泉】でも起こります。
さすがに源泉掛け流しで湧いている【二酸化炭素泉】であれば、常に新鮮ですから放置ということはありません。
しかし、温度が30℃前後の温泉になると二酸化炭素が抜け始め、一般的なお風呂の温度である40℃前後になると半分くらいしか残らなくなります。
大分県の九重に【山里の湯】という温泉施設がありますが、そこの源泉温度は35℃以上です。
それなのに、かなりの二酸化炭素が残っていますので、【奇跡の炭酸泉】と呼ばれることもあります。
ところが、温度が高くなっても温泉の二酸化炭素はただでは抜けません。
温泉に含まれる鉄分(ナトリウムやマグネシウムなど含む)と結びついて【炭酸水素塩泉】になります。
【二酸化炭素泉】が多い温泉地で、温度が高い温泉に【炭酸水素塩泉】が多いのは、そういう事です。
源泉が【二酸化炭素泉】の場合、温度が低くてクリアな色だけど、加熱したらにごり湯になったという温泉施設も結構あります。
また、温度が低い場合でも、他の成分が強すぎて二酸化炭素の量があるのに泡付きがないという場合もあります。
私の経験では、硫黄成分が強い場合は、その傾向が大きいです。
飲泉すると、シュワシュワ感があるのに、湯船では泡付きが全くないということがありました。
【療養泉】の【二酸化炭素泉】とは違う
でも泡付きがある温泉があるのはなぜ?
【遊離二酸化炭素泉】の量が少ないか全く含まれていないのに、泡付きがあるということがありました。
それはどういうことでしょうか。
はい。
私も何度か経験があります。
どういうことなのでしょうか。
これから説明しますね。
【二酸化炭素泉】ではないのに、シュワシュワとした泡つきがあることがある場合、【炭酸水素塩泉】が多いです。
一度、金属と結びついた二酸化炭素が、再び二酸化炭素に分離したと考えるのが自然ですね。
あとは一部の【硫酸塩泉】でも、硫黄成分によるものと思われる泡付きがあることがあります。
この場合、空気の泡かもという時もありますので、判断が難しいですね。
普通のお風呂でも、1番風呂の時に泡付きがあることありますよね。
あれは空気の泡です。
温泉が源泉掛け流しで新鮮であれば、どの泉質であれほぼ同じ状態になります。
もちろん、新鮮でも空気が含まれないことがあります。
一概に言えないという事は付け加えておきます。
実を言いますと、温泉はまだ解明されていないことが多いです(笑)
勉強すればするほど、温泉の奥深さを感じます。
【二酸化炭素泉】と言えば?
大分県の【長湯温泉】と【七里田温泉】
いかがでしたか。
【療養泉】の【二酸化炭素泉】について書かせていただきました。
私が大分県に在住だという事もありますが、やはり【二酸化炭素泉】と言えば、【長湯温泉】と【七里田温泉】です。
特に【七里田温泉】の二酸化炭素量と泡づきは、【長湯温泉】以上だと私は個人的に思います。
【二酸化炭素泉】で忘れてはいけないこととして、浴室内の換気が重要です。
そのため、「30分以上入浴しないでください」という注意書きがある温泉施設もあります。
泡付きがあると、ついつい楽しくて長時間湯船に浸かってしまいせんか。
施設ごとの注意事項を守って、体に負担がかからない入浴をしましょう。
少しでも【二酸化炭素泉】を知るキッカケになれば、本当に嬉しいです。
それでは、「【療養泉】の【二酸化炭素泉】!シュワッとする特徴とは」の記事をここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。