本記事では【療養泉】について説明します。
ちょっと待ってください。
先日、【塩類泉】っていう泉質があるって聞いたのですが【療養泉】に含まれていませんよね。
その他の泉質なんですか?
良い質問ですね。
これから、私が説明させていただきます。
実は【塩類泉】も【療養泉】ですが、ちょっとややこしいポジションです。
例えば、大勢のグループの中で別のグループがあるようなものです。
と言えば、なんとなくイメージがわいてきませんか。
じゃあ【塩類泉】は、どの泉質がグループになるんですか?
ということになりますよね。
そこで本記事では、【塩類泉】をピックアップして説明させていただきます。
専門的な事は、それぞれの泉質記事で説明します。
本記事で【塩類泉】がどのようなものなのか知っていただけたら幸いです。
【塩類泉】に含まれる泉質は3つ!
塩という文字がついているからわかりやすい
最初に言っておきます。
【塩類泉】は3つの泉質の総称です。
10個の【療養泉】や【別府八湯】の温泉地を覚えなさいと言われたら、結構難しいという人もいます。
しかし、3つの【塩類泉】と言われたら、すぐに覚えられそうですよね。
【塩類泉】を覚えてしまえば、前回が【単純温泉】でしたので、あと6つ【療養泉】を覚えれば良いです。
少しだけ気が楽になりませんか。
では、【塩類泉】は【療養泉】のどの泉質なのでしょうか。
まずは10種類の【療養泉】をおさらいです。
※泉質名をクリックするとそのページが読めます。
●単純温泉
●塩化物泉
●炭酸水素塩泉
●硫酸塩泉
●二酸化炭素泉
●含鉄泉
●硫黄泉
●酸性泉
●放射能泉
●含よう素泉
以上です。
この10個の泉質をよく見てください。
【塩】がつくものがいくつかありますよね。
それは。
●【塩化物泉】
●【炭酸水素塩泉】
●【硫酸塩泉】
以上3つです。
確か【塩類泉】も3つでしたよね。
という事は。
はい。
その通りです。
この3つの泉質を総称して【塩類泉】と言います。
すみません。
【塩類泉】の泉質はわかりました。
でも、名前だけ言われてもよくわかりません。
あはは。
ごもっとも。
【塩類泉】の3つは、それぞれどのような泉質なのでしょうか。
次項から順番に説明していきます。
ポカポカとした湯上り感と塩味が特徴
温度が高い温泉に多い【塩化物泉】
3種類ある塩類泉の中の1つ目は【塩化物泉】です。
【塩化物泉】で一番有名な泉質と言えば、【ナトリウムー塩化物泉】です。
どこかで聞いた事がある名前ですよね。
「泉」を取って順番を逆にすると、お塩の正式名称というのはわかりますか。
つまり、温泉に塩味やダシ味がついている時、【塩化物泉】の可能性が高いです。
また、温度が高いものが多いので、地獄蒸しの蒸気として使われていたり、そのまま卵を入れて温泉玉子にすることもあります。
もちろん、他の泉質でも地獄蒸しや温泉玉子はあります。
【塩化物泉】の場合、薄っすらと卵や食材に塩味がつくことがあります。
有名な【塩化物泉】の温泉地は結構あります。
私の個人的なお気に入りは、大分県の【鉄輪温泉】と長崎県の【小浜温泉】です。
どちらも塩の温泉で、地獄蒸しや温泉玉子があります。
【鉄輪温泉】が山塩なら【小浜温泉】は海塩と言う感じで、それぞれ味が違います。
どちらも美味しいのでお気に入りです。
あとは、鹿児島の【指宿温泉】も良いですね。
サツマイモやジャガイモのの地獄蒸しが好きです(笑)
食べ物の話は置いておいて、【塩化物泉】の入浴感について説明します。
【塩化物泉】は、場所によって塩の量が違います。
薄味の塩の場合もあれば、ゼリーの中に入っているかと思う程濃い塩もあります。
いずれにせよ、【塩化物泉】に入浴すると、塩分が体や毛穴に染み込みますので保湿効果に期待できます。
さらに体を温める効果も期待できますので、冬の寒い日におススメの泉質です。
海水浴に行かれた際に、かなり体がだるくなって、水分が欲しくなることがありませんか。
【塩化物泉】に入浴した際は、同じような事が起こる可能性があります。
水分補給などを視野にいれておくと良いかもしれません。
湯上りのサッパリ感が嬉しい
美人美肌の湯として名高い【炭酸水素塩泉】
3種類ある塩類泉の2つ目は【炭酸水素塩泉】です。
【炭酸水素塩泉】で有名な泉質と言えば【ナトリウムー炭酸水素塩泉】です。
これも化学が得意な方は、ピンときたのではないでしょうか。
はい。「泉」をとると、重曹の正式名称を逆にしていますね。
実は【ナトリウムー炭酸水素塩泉】は、別名【重曹泉】とも言います。
重曹は、お掃除にも使用することありますよね。
同じように、お肌の汚れを落とす効果が期待できるのが、【炭酸水素塩泉】の特徴です。
もっとも、ナトリウムだけではなく、他の成分がくっついた【炭酸水素塩泉】もありますので、一概には言えません。
【ナトリウムー炭酸水素塩泉】の場合、ほぼ美人美肌の湯と呼ばれています。
入浴時の特徴は、サッパリ感が残ります。
私個人としては、大好きな泉質の1つです。
もしかすると、一番好きな泉質かもしれません(笑)
特に夏の熱い時期に【炭酸水素塩泉】に入浴すると、爽快感がたまりません。
また、【炭酸水素塩泉】系の温泉は、飲泉した際にサッパリとした口あたりのものも多いです。
重曹成分ですので、蒸し料理や灰汁抜きなどに使うこともできます。
温泉は天然の素材ですので安心ですが、基本的に飲泉許可がある所の温泉を使用してくださいね。
一味違った保温効果が期待できる
独特の肌触りや苦い味が特徴【硫酸塩泉】
3種類ある塩類線の3つ目は【硫酸塩泉】です。
【硫酸塩泉】は元々が硫黄成分ですが、飲泉できるものもあります。
その際にかなりの苦みを感じる人もいます。
体に良いとは言え、苦いのが苦手という人は飲むのをやめておきましょう。
入浴した場合、私個人の感触ですが、小さな砕いたゼリーの中に入っているような気分になります。
また、こちらも個人的な感想ですが、湯上りに【塩化物泉】と一味違う、何かでコーティングされるような独特の保温効果が期待できるのも特徴です。
温泉の色としては、青みがかっているものも多く、熊本県の【黒川温泉】に多い泉質です。
変わったものでは、大分県の【塚原温泉 火口の泉】という日帰り温泉施設です。
【塚原温泉 火口の泉】の源泉が【硫酸塩泉】です。
鉄分を多く含んでいるため緑がかった色をしています。
しかも、【酸性泉】ですので、かなり酸っぱいです。
別名【緑礬泉】と呼ばれることもあります。
【療養泉】と合わせて覚えよう!
種類が豊富な【塩類泉】
いかがでしたか。
【療養泉】の中の【塩類泉】について説明させていただきました。
【塩類泉】に限らずですが、温泉の泉質はいくつかの組み合わせでできあがっていることがあります。
例えば、【ナトリウムー塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉】という泉質も実際にあります。
もちろん、ナトリウムだけではなく、マグネシウムやカルシウムなどが含まれていることも珍しくありません。
やたら長い名前の泉質を見つけたら、塩類泉が含まれているかどうかをチェックしてみるのも面白いですよ。
ちなみに【塩類泉】は【〇ー■泉】の■側にあります。
わからなくなったら、■を見てみると何らかの【塩類泉】が書かれています。
たまにない時もありますので、温泉は奥が深くて面白いですね。
それでは「【療養泉】とどう違う? 【塩類泉】を専門家が説明」の記事をここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。