寒い時期は、ややぬるめの露天風呂に1時間くらい浸かり、出るときにどうしようと悩んでしまうASUKAです。
以前の記事で【塩類泉】について説明をさせていただきました。
本記事は【塩類泉】の1つ【塩化物泉】について書かせていただきます。
【塩化物泉】は、塩味で体がポカポカと温まるという入浴感の方が多いです。
では、【塩化物泉】を見分けるためには、どのようにすればいいのでしょうか。
味見をすれば、大抵の人はわかるかと思いますが、誰が入浴したかわからない温泉のお湯です。
飲泉可であればともかく、そうでなければ抵抗がありますよね。
しかも、塩素消毒をしている場合もあります。
味見をすると体に悪そうですよね。
飲泉可の【塩化物泉】ならば、味見できるので問題ありませんが、すべて温泉がそうであるとは言い切れません。
また、肌触りで温泉の泉質が分かるという人は、少なくとも私の周りでは数人しかいません。
しかし、本記事では【塩化物泉】であるかどうか、誰でも80%くらいの確率で分かる方法を説明します。
なぜ100%ではないかと言いますと、温泉施設によっては【温泉成分分析書】がない場合もあるからです。
逆に言えば、【温泉成分分析書】がある【塩化物泉】で、日本語の読解力があれば100%知ることが可能です。
これから説明しますので、「そうなんだ」と理解していただけたら幸いです。
【塩類泉】や【塩化物泉】の前に!
【温泉成分分析書】の読み方知っておこう
【塩化物泉】うんぬんの前に、【温泉成分分析書】について説明します。
【温泉成分分析書】は、温泉施設では必ず見える場所に貼り付けておかなければいけません。
温泉施設が10年に1度、専門の業者に依頼して作成します。
しかし、温泉施設によっては、業者に依頼する予算がなかったり、近所の人のみしか入浴しないなどの理由で、【温泉成分分析書】がない場合があります。
義務づけられていますが、その辺は少しグレーゾーンがあるようです。
さて【温泉成分分析書】ですが、見ただけで頭が痛くなるという人は、何も考えず上の方か下の方を見てください。
ご丁寧に【温泉成分分析書】には、泉質名がきちんと書かれています。
【塩化物泉】について知りたいというだけでしたら、これで十分です。
しかし、せっかく【温泉成分分析書】があるのですから、もっと詳しく追及してみましょう。
要するに「この温泉は何泉だけど、もっと詳しく知りたいならここを見なさい」という場所があるのが【温泉成分分析書】です。
次項では【温泉成分分析書】から【塩化物泉】を見分ける方法を説明します。
【塩化物泉】を知るための【温泉成分分析書】
確認する場所を専門家が説明
あら。
いきなり【温泉成分分析書】の写真が出てきましたね。
あれこれ書くより、実物の写真を見せた方が早そうでしたので(笑)
写真を見て、やっと【温泉成分分析書】を思い出した人もいるのではないでしょうか。
どこを探してもない場合は、温泉施設の受付に聞くと、貼っている場所を教えてくれたり、実物を見せてくれることがあります。
共同浴場などのように、こじんまりとした場所は、どこかに貼り付けていなければ【温泉成分分析書】自体がないことがほとんどです。
以前、【単純温泉】の説明の際、【ミリバル20%】という言葉があったのを覚えていますか。
【ミリバル20%】を覚えておいででしたら、写真の数字の部分を見てください。
陽イオンと陰イオンに分かれていますよね。
実は泉質名は、陽イオン➡陰イオンの順番で表記されます。
そこで重要になるのが【ミリバル%】です。
まずは数値を良く見てくださいね。
20以上のものを探します。
陽イオンではナトリウムが88.60になっていますよね。
陰イオンでは塩素が94.08です。
ちなみに化学式で書くと、ナトリウムはNaで塩素はClです。
2つ合わせるとNaClですね。
はい。
お塩の化学式です(笑)
【塩化物泉】の場合、陽イオンー陰イオンの順番で表記しますので、【ナトリウムー塩化物泉】という泉質名になります。
ここで面白いのが、【ミリバル%が20以下】のものです。
どれも少なめですよね。
表記がなくても、その成分が含まれているのですから、名前がない優秀な裏方と言ったところでしょうか。
実は温泉の泉質によっては、他のものも【ミリバル%】が20を超えている場合があります。
その場合はどう表記するかと言うと、数字の大きい方から順番に書きます。
長い名前の泉質は、陽イオンと陰イオンの【ミリバル%】の数値が20を超えているものが多いという事ですね。
ちなみに【塩化物泉】の場合、単純温泉のように25℃以上でなければいけないということはありません。
成分さえ規定量になっていれば、それだけで【塩化物泉】になります。
前提条件として、【塩化物泉】は温泉水1kg中のガス成分を除く温泉成分が1g以上のものになります。
【療養泉】の【塩化物泉】は海沿いに多い!
山で見つかれば専門的分野
本当に温泉の専門家になると、ついつい難しい内容ばかり考える事が増えてしまいます。
実際、温泉はのんびり浸かって、癒されればそれで充分です。
そこで【塩化物泉】について、少しお話しておきます。
【塩化物泉】に入浴したいと思ったら、海沿いの温泉地を探してみてください。
海沿いの温泉地は、ほぼ【塩化物泉】です。
しかし、山の中にも【塩化物泉】があります。
これは、温泉がどうやってできるのかという所にもなってきます。
また別記事で、詳しく説明をさせていただきます。
なんにせよ、もし山の中でも海沿いでも【塩化物泉】を見つけたら、じっくりと入浴して体を癒してくださいね。
【塩化物泉】は「あたたまりの湯」
保湿効果も期待できると覚えておこう!
いかがでしたか。
【療養泉】の中の1つ【塩化物泉】について書かせていただきました。
【塩化物泉】が【塩類泉】というグループにも含まれていることも忘れないでくださいね。
どこかのアイドルみたいな書き方になってしまいましたが、冬の寒い時期になると、ついつい入浴したくなるのが【塩化物泉】です。
私が住む大分県には、【塩化物泉】がたくさんあります。
特に大分市内の塩化物泉は、かなり濃いめのものもあり、じっくり入浴すると汗がしばらくひきません。
基本的に塩ベースですので、入浴しているとのどが渇くことが多いです。
水分補給が多めになるのも、【塩化物泉】の特徴です。
あとは個人的な感想ですが、【塩化物泉】に入浴したあとに海水浴の後のような脱力感で、ぐっすりと睡眠がとれるのも良いですね。
忘れてはいけないのが、【塩化物泉】の保湿効果が期待できることです。
毛穴に塩分が入ることで、そのようになると言われています。
いずれにせよ、本記事で【塩化物泉】について、かなり専門的にご理解いただけたのではないでしょうか。
温泉施設を訪問した際の参考にしていただけたら幸いです。
皆様の温泉ライフが、良いものになる事をお祈りします。
それでは、「療養泉で【塩類泉】の【塩化物泉】とは? 温泉の専門家が説明」の記事を読んでいただき、本当にありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。